【2023年】子ども向けプログラミングスクールの現状と今後について考えてみる
日本における子供向けプログラミングスクール市場を、以下の3つのテーマに基づいてデータを元に考察してみたいと思います。
■現状の市場規模
■社会的背景
■市場の未来展望
市場規模
日本の子供向けプログラミング教育市場は、2020年以降、急速に拡大し続けています。これは、2020年度からの学習指導要領改訂により、小学校高学年でのプログラミング教育が必修化された影響が大きいです。それに伴い、民間のプログラミングスクールも増加し、市場規模も拡大の一途をたどっています。
2022年時点で、民間の子供向けプログラミングスクールは全国に約500校以上存在し、それに通う生徒数は10万人を超えるとされています。
市場規模についても、2022年時点で約500億円と推定され、2025年には1000億円を超えると予測されています。これは、デジタル技術の進化と社会のデジタル化が進んでいること、そして子供たち自身がプログラミングに興味を持つようになったことが影響しています。
オンライン教育の普及により、地域にとらわれずにプログラミング教育を受けられるようになり、これが市場の拡大を後押ししています。新型コロナウィルスの影響でオンライン教育が一般化したことも、市場拡大の一因と言えます。
社会的背景
日本のプログラミング教育の推進は、2020年の学習指導要領改訂により一層加速しましたが、それ以前から社会全体のデジタル化推進、AI・IoTの進化などにより、子供達に対するプログラミング教育のニーズは高まっていました。これらの社会的背景が、子供向けプログラミングスクール市場の拡大を後押ししています。
上記に挙げた、「デジタル化の進行」と「AI・IoTの進化」についてそれぞれ詳しくみていきます。
デジタル化の進行
2021年のデジタル庁設立をはじめとする政策推進により、日本全体でデジタル化が急速に進んでいます。
この結果、企業や教育機関でもITスキルの重要性が高まり、プログラミング教育の需要が増大しています。
例えば、経済産業省の2022年の調査によれば、IT関連職種の人材不足は約79万人に上り、この数値は2025年には約100万人に達すると予測されています。これは、子供たちへの早期からのプログラミング教育の重要性を示しています。
AI・IoTの進化
AI技術は急速に進化しており、経済全体に大きな影響を及ぼしています。経済産業省の調査によれば、2022年のAI関連市場規模は約16兆円と推計され、その伸び率は年々上昇しています。また、AIを活用する企業数も増加傾向にあり、AIを理解し、適用できる人材の需要が高まっています。
IoTは、さまざまなモノがインターネットにつながり、データを共有することで新たな価値を生む技術です。経済産業省の調査によれば、2025年のIoT市場規模は約30兆円に達すると予想されています。これらのデータは、IoTに対する理解とそれを操作できるスキルが求められていることを示しています。
市場の未来展望
今後の市場は、オンライン教育の普及に伴い、更なる成長が見込まれます。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で、リモート学習が一般化する中、オンラインでのプログラミング教育も広がっています。また、AIやVRなどの新たな技術を取り入れた教育サービスの登場も予想されます。これらは、子供達にとってより魅力的な学習環境を提供し、市場の拡大を促進することが予想されます。
2022年のオンライン教育市場規模は約2兆円で、その規模は年々拡大を続けています。この傾向が続けば、プログラミングスクールもオンライン中心に移行し、地理的な制約を受けずに質の高い教育を受けられるようになります。
また、AIやVR(仮想現実)などの先端技術の活用も、子供向けプログラミング教育の未来を大きく変える要素となります。
例えば、AIを活用した個別指導や、VRを用いた没入感のある学習環境などが提供されることで、より効果的な学習が可能となります。
これらの技術の活用により、教育内容や教育方法も進化し、市場の拡大を後押しすることが考えられます。